四十歳の誕生日、僕は自分にランニングシューズを買った。理由は単純で、会社の三階まで階段を上がると息が切れ、しゃがんで靴紐を結ぶのに二回呼吸を挟まないといけなかったからだ。初めて走った日、最初の八百メートルはまだ様になっていたけれど、そのあとふくらはぎはセメントを流し込まれたみたいに重くなり、心臓の音が耳の中で太鼓みたいに鳴っていた。だからといって「もう無理だ」と決めつけたわけではない。ただ、その落差はとても具体的で、請求書みたいに目の前に突きつけられ、向き合わざるを得なかった。
最初は年のせいだと思っていたけれど、よく考えると生活の積み重ねのほうが大きい気がした。深夜まで会議、夕食はタピオカドリンクと一緒、週末は昼まで寝だめ。一つひとつは大したことではないのに、重なると体はずっと借金を返し続けているような状態になる。ランニングは、その借金をただ明細にしてくれただけだった。そこで僕は最初の調整をした。空いた時間に運動するのではなく、運動を先に決まった時間へ入れることにした。同僚のSelinaはそれを聞いて、「まず何か買おうとしないで、二週間記録してからにしなよ」とだけ言った。この一言に、僕はその後かなり助けられた。
二週間の記録は退屈だったけれど、意外に役に立った。走った距離、睡眠時間、その日の元気がだいたいどのあたりにあるか、そして一番サプリが欲しくなるのはどんな時かを書いた。たいていは、よく眠れなかった夜に広告を見た時だった。つまり僕の「補いたい」は、疲労の延長であることが多く、本当に何かが足りないわけではなかった。記録のおかげで二つを分けて考えられるようにもなった。体力は鍛えて作るもの、精神状態は生活リズムやストレス、食事と関係している。この二つをごちゃ混ぜにすると、言葉巧みな説明に流されやすい。
本当に立ち止まって調べようと思ったきっかけは、グループで海外の健康食品に問題が見つかったというニュースが転送されているのを見たことだった。全文は読めなかったけれど、要はむやみに補うなという注意らしかった。そこで考え始めた。僕は一体何を選んでいるんだろう。「飲めば力が出る」という約束を選んでいるのか、それとも成分表示が明確で、出所を確認できるものを選んでいるのか。僕はその問いを一文に書き直してみた。男性の活力ケアは、僕にとって生活調整の補助なのか、それとも生活調整の代わりにする言い訳なのか。この問いに正解はないけれど、おかげで意識は「感覚」から「根拠」へ移っていった。
そこで二つのルートを比べてみた。ルートAは、とりあえず買ってしまう直感派。キーワードを見たら注文する。コストはお金と不確かなリスク、利点は時間の節約。ルートBは、調べてから買う慎重派。パッケージの成分、栄養表示、注意書き、出所を見て、必要なら今飲んでいるものをリストにして薬局やクリニックで聞く。僕はBを選んだ。高尚だからではなく、どの成分が何をしているのか自分ではまったく区別できないと気づいたからだ。その状態でお金を使うのは、判断する権利を手放すのと同じだった。同時に、調べることと医学を理解することは違うとも自分に言い聞かせた。わからないところには「不明」と印をつけ、無理に答えをこしらえないようにした。
実行するときは三つの手順を決めた。第一に、まず必要性を確認する。睡眠不足なのか、食事が乱れているのか、それとも本当に運動量が足りないのか。第二に、候補商品の表示を最後まで読み、わからない欄は調べ、調べてもわからなければ保留にする。効果を約束するような書き方なら、なおさら慎重にする。第三に、リストを持って専門家に聞く。特にほかのものも同時に摂っている場合はそうする。この三手順ですぐ強くなったわけではないけれど、衝動買いはかなり減った。走る距離は三キロから五キロへ少しずつ伸びた。ペースはたいして良くないが、少なくとも翌日もまた外へ出ようと思えた。
薬局で並んでいた時、前の男性がスマホを見ながら店員に商品のことを聞いていた。店員は、普段何を飲んでいるか、定期的に通院しているかを先に確認するよう促していた。その瞬間、もっと一言聞きたい人は実は少なくないのだと思った。ただ、みんな遠慮しているだけなのだ。別のこともあった。友人が「あの商品を飲んだらすごく効いた気がする」と言うので、僕は否定せず、その期間に早寝も始めたんじゃないかと聞いてみた。彼は少し考えて、笑った。僕たちは変化を一つのカプセルのおかげにしがちだけれど、同時に別のこともしているのを忘れている。
今でも関連情報は見るけれど、順番は変わった。まず自分の記録を見て、次に商品表示を見て、最後に買うかどうかを考える。劇的な変化があったわけではない。ただ、生活リズムは少し安定し、買い物の決断にも後ろめたさが減った。もし君も走り始めたばかりなら、あるいは棚の前で迷っているなら、僕の提案はとても地味だ。問題を書き出すこと、わからないことは専門家に任せること、お金は本当に考えがまとまった後の自分に残しておくこと。体力の道に近道はないけれど、少なくとも遠回りは減らせる。
先に調べてから買うのは正しいことですが、「ちゃんと調べる」を万能のお守りにしないでください。成分表が読めるからといって、自分に合うとは限りません。特に持病があったり薬を飲んでいる人は、自分で延々と照らし合わせるより、まず医師に相談するのが一番です。