セブ島で英語力を伸ばすって、最初は半信半疑だったんだよね。去年の夏、僕は東京のオフィスワーカーから一念発起して、3ヶ月間の留学に飛び込んだ。空港に降り立った瞬間、ジメジとした熱気と英語の看板に圧倒されたけど、今振り返ると、あの決断が人生を変えた。ただ、現地でただ授業を受けるだけじゃダメ。効果を最大化するには、戦略が必要だと痛感した。
まず肝心なのは学校選び。セブには無数の語学学校が乱立しているけど、小規模でマンツーマン授業が主流のところを狙うべきだ。僕が通ったのは生徒数20人ほどのアットホームなキャンパスで、毎日4コマの個人レッスンが組まれていた。先生がこちらの弱点を即座に見抜き、発音矯正やビジネス英語に特化してくれた。グループレッスンだと埋もれがちな細かいミスも、一対一なら逃さず指摘される。ある日、プレゼンの練習で”actually”を何度も噛んでしまい、先生が舌の位置を鏡で確認させるまで根気強く付き合ってくれた。この密度の高さが、短期間で伸びる秘訣だ。
授業外の時間こそ真価が問われる。セブ島は物価が安く、ローカルマーケットやカフェが身近にあるから、積極的に現地の人と関わるチャンスだ。最初の週、タクシー運転手に値切ろうとして”Can you discount?”と言ったら、大笑いされた。”Could you give me a better price?”と丁寧な表現に直す必要があったんだ。毎日のように近所の食堂に通い、オーナーと天気やニュースを話すうちに、反射的に英語が口から出るようになった。週末はボランティアで孤児院を訪れ、子どもたちとゲームをしながらスラングを学ぶ。こうした生の会話が、教科書では得られない瞬発力を鍛えてくれる。
文化にどっぷり浸かることも欠かせない。フィリピンは多民族国家で、英語が生活の基盤だからこそ、言語と習慣が密接に絡んでいる。僕はホストファミリーと暮らすことを選び、夕食時に政治から家族の話まで議論した。ある夜、”Why do Filipinos smile during tough times?”と尋ねたら、”It’s not ignorance, it’s resilience”という答えが返ってきて、言葉の背景にある価値観に気づかされた。現地の祭りに参加したり、ジプニーで隣席の人と世間話をしたりする中で、英語が単なるツールではなく、人間関係を築く手段だと実感した。
自己管理の徹底が成否を分ける。滞在中、日本人コミュニティに流されそうになった時期がある。楽だからと日本語で話す仲間とばかりいると、せっかくの環境が台無しだ。僕はスマホの設定を英語に切り替え、毎晩30分はTEDトークをシャドーイングする習慣を作った。目標を”TOEICスコアアップ”ではなく”現地で友人を5人作る”と具体的に設定したのも効果的だった。帰国前、カラオケバーで知り合ったフィリピン人たちと別れを惜しんでいるとき、自然と笑いが起こる会話ができた瞬間、成長を確信した。
セブ島留学は魔法の杖じゃない。ただ、正しいアプローチで臨めば、教室の外に広がる世界全体が最高の教材になる。英語力を血肉にするには、失敗を恐れず、島のリズムに身を任せてみてほしい。
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