この街に引っ越してきて三週間目にして、自分が住まいの周りをほとんど知らないことに気づいた。借りている部屋の一階にはコンビニとバイク屋があって、その先は歩くほどに静かになる路地が続いている。実家にいた頃は、路地の入口にあった薬局が二十数年も営業していて、店主のおばさんは母のことも知っていたから、どんな紙を持って行って聞いても気まずくなんてなかった。今はそんな場所はない。何もかも一から築いていくしかない。
このことを考え始めたのは、母から電話がかかってきたのがきっかけだった。部屋の近くに何か相談できる場所はないかと聞くのだ。最近家にある瓶や缶を整理していて、親戚が海外から持ち帰ったものが多く、パッケージの文字がよく読めないので、詳しい人に聞いてからどうするか決めたいという。その場では答えられず、また調べてみるとしか言えなかった。電話を切ってから、自分が住む地域に薬局がいくつあるかすら言えないことに気づいた。
そこでその週末、外を歩いてみた。主要な道沿いを歩くと、二十分ほどで三軒の薬局を通る。一軒はシャッターが下りていて、どうやら改装中のようだった。残りの二軒は、一軒がアーケードの端、もう一軒が路地の角にある。三軒の場所をスマホの地図に記録して、家に帰ってからキーワードで検索もしてみた。もっと話題になっていたり評価があったりする店がないかと思ったのだ。検索結果には店名がいくつも出てきて、その一つが民眾薬局だった。他のいくつかと一緒にリストに入れたが、特に順番はつけなかった。名前について何も知らないからだ。
後になって、ネット上の星の数だけを見てもあまり意味がないとわかった。コメントには「店主がとても親切」とだけ書いてあるものもあれば、「品揃えが豊富」とあるものもある。だが、私が抱えている問題の解決にはあまり役立たない。本当に知りたいのは、見慣れない品名が書かれたリストを持って店に入ったとき、相手が時間をかけて一緒にパッケージを見て、出所を確認してくれるかどうかだ。特定の商品を買わせようと急かすのではなく。そんなことは口コミからは読み取れない。直接聞くしかない。
そこでやり方を変えて、まず「店に入ったら何を聞くか」の順番を自分用に書き出した。最初の質問は値段ではなく、「これは台湾ではどの分類に入るのか」——食品なのか、健康食品なのか、それとも処方箋がないと手に入らない医薬品なのか。この三つは入手方法も相談先もまったく違う。分類すら間違えれば、その後の質問も焦点がぼやけやすい。二つ目の質問は、パッケージの表示を一緒に見てもらえるか、特に成分欄と注意事項について。三つ目は、もしそれがその店で対応できる範囲でなければ、普通はどこに聞くよう勧めるか、だ。この三つを聞き終えれば、その店がきちんと話をしてくれるか、それともこちらがいくら買うかだけを知りたいのか、だいたい感じ取れる。
この順番を手に、平日の午後にもう一度歩いてみた。まずアーケードの端の店に入った。店内には補充作業をしている店員が一人だけ。最初の質問をするとすぐに答えてくれたが、パッケージの表示について重ねて聞くと、棚を指して「上に書いてあります」と言い、また作業に戻ってしまった。長居はしなかった。二軒目の路地の角の店では、店員が電話中だった。数分待ったが、時間が押していたので先に離れた。リストにあったあの名前の店には、まだ入っていない。前の二軒の経験をまず整理したかったからだ。名前を何度も見たというだけで、好意を持ってしまわないように。
家に帰ってから、二度の印象を書き出し、公開されている資料もいくつか調べて、自分の質問の方向が合っているか確かめた。この種の製品についてのネット上の議論はとても混乱していて、食品を医薬品のように語る人もいれば、違う分類のものを一緒くたに比較する人もいる。だからこそ、今の自分に必要なのは他人の使用感ではなく、「このリストが一体どの分類に属するのか」をはっきりさせることだと、より確信した。母の瓶や缶の写真はまだ全部見終わっていない。ラベルがぼやけているものもあれば、外国語のものもある。まずはもっとはっきり撮ってもらってから、聞きに行くかどうかを決めようと思っている。
このことで「信頼できる」という言葉の意味を考え直した。以前は、信頼できるとは評価が高いこと、長く営業していることだと思っていた。今はどちらかというと、やり取りの質のような気がする。相手が自分が知らないことを認められるか、判断の根拠をきちんと説明できるか、こちらが間違った方向に進んでいるときに引き戻してくれるか。こうしたことは店の大きさや看板の新しさとは直接関係ない。むしろ、五分かけて一緒に表示を見てくれる店のほうが、何でも「あります」と言う店より、また足を運ぶ価値があるとさえ思う。
だから今のところのやり方はこうだ。まずリストを三つに分ける。一つはパッケージから成分と出所がはっきり読み取れるもの、一つは表示が不明瞭なもの、もう一つはどの分類に入るかまったくわからないもの。前の二つは自分で公開情報を調べられる。三つ目だけ、人に聞く必要がある。聞くときは完全なリストを持参し、母が普段飲んでいる他のものも含めて、相手が判断できるだけの情報を渡す。もし専門的な評価が必要だと言われたら、その勧めに従って次の場所へ行く。一軒の店で全ての答えを得ようとはしない。
最終的にどこに定めるかはまだ決めていない。リストにあった名前も選択肢の一つにすぎない。私がまた行きたいと思うのは、きちんと話をしてくれたあの午後のような対応をしてくれる店だ。それまでは同じ質問セットで店を回り続け、毎回聞いた内容を記録して照らし合わせていくつもりだ。何しろ新しい土地に引っ越せば、生活のネットワークを築くには時間がかかる。薬局はその一マスにすぎず、焦っても仕方ない。
短期的に見ると、多くの薬局が対応できる範囲は実は限られており、わざわざ足を運んでも割に合わないかもしれません。